ペッペちゃん空をあるく

自由になりたい

第111回医師国家試験を終えて

つまるところ、私は医学生なんです。

今年行われた医師国家試験を受験してきました。

合格率は例年9割前後と、隣の奴と命を賭して戦うような厳しい試験ではありません。それでも、日本の理系偏差値トップクラスのやつらと対等に戦うためには、長い期間の受験生活が必要でした。

ビデオ講座、QB、回数別過去問、、ありとあらゆるツールを使い、CBTが終わってから約2年間部活と並行して勉強しました。

自分ではやれることはやったと晴れ晴れした、開き直った心の持ちようで試験に臨むことができました。会場に着くまでは。。。。。。

 

どれだけ準備しても、一日目の一番最初の試験が始まる前は異様な緊張感に苛まれました。だって、これで自分の人生が大きく変わるんですもん。

6年間で初めて、自分の医学に対する純粋な興味とこれから始まる人生が重なり、この試験の重要性から目を背けることができませんでした。

始まってしまえば、緊張はだんだんほぐれ、平常心で臨むことができました。

 

さて、今年の試験について、話をします。

まずは「模試よりは簡単でしょ」なんて高を括るンじゃねぇ!ということであります。メックもテコムも年に2~4回模試を行いますね。どの回も確かに難しい。しかし、どの模試も過去3,4年分の回数別を参考に作っていています。ですから、全く聞いたことがないという問題はむしろ少ないと考えてもいいと思います。

それに対して、今年の国試はどうだったでしょう。私の感想ですが、正答率10%の問題(真新しい問題たち)、正答率99%のマジで誰でも解ける問題の2パターンしかなかったです。KSRがよく言う「正答率70%の合否を分けるその1問」は少なかったと思います。

 

簡単な問題はとことん簡単、難しい問題はだれにも解けない。

 

これがキーワードです。

「みんなが知ってることは学生の内からおさえておこうね~、ただし、誰も知らないような知識は覚えておかなくていいからな」という国試委員からのメッセージを感じました。最近の国家試験は、ある知識を知らなければ解けないという知識傾倒問題は漸減傾向にあり、臨床ストーリーから答えを導き出す思考型問題が増えています。例えば、ある疾患に対する治療法を選択するとき、選択肢の治療法は全てその疾患の適応がある。しかし、ベストチョイスはどれか、第一選択はどれかを選ばせるというようなものです。長文から優先する重要事項を読み取って次の手を推測する力が、今後ますます重要視されることでしょうね。

 

これらを踏まえて112回以降はとりあえず以下のこと踏まえて勉強すればいいんじゃないでしょうか

 

①イヤーノートの丸覚えはよせ

②臨床問題を解くときは常に鑑別診断を考えろ、鑑別のための検査方法もな

③問題数をたくさんこなして、重要事項を読み取るセンスを磨け。特にその練習になるのはスピード勝負の救急だよな

④一人で勉強には限界がある。国試の範囲は海より広い。みんなで知識を共有しあい、整理することで活路を見いだせ

 

知識を知っているだけでは合格できないということは、記憶力がいいやつが医者になれる時代は終焉を迎えているということを意味する。

それはスペックが高い奴が短い受験期間だけで合格をつかみ取ることは難しいということじゃないですか?自分でその場で考えるためには知識も思考力も必要。

なるべく、早期に受験勉強を開始して、皆さんが合格をつかみ取ることを願っています。